障害年金について、まず知っておくべきこと

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みなさんこんにちは、テラド(@terashin1226)です。

平成30年版 障害者白書」によると、身体障害:436万人、知的障害:108万人、精神障害:392万人。

障害を持つ方は日本に936万人いますが、障害年金を受給されている方は平成30年の1月末現在で 208万人。約22%の方しか障害年金を受給していません

そもそも、障害年金がどういった制度なのか、知らない方が多いのではないでしょうか。

本記事では障害年金とは何かを知ったうえで、受給するための方法をざっくりとお伝えします。

それではいってみましょう。

障害年金をざっくり把握しよう

年金は「保険制度」

年金制度は、保険という仕組みで成り立っています。

保険をWikipediaを調べると

保険(ほけん)は、偶然に発生する事故(保険事故)によって生じる財産上の損失に備えて、多数の者が金銭(保険料)を出し合い、その資金によって事故が発生した者に金銭(保険金)を給付するための制度。

とあります。

保険とは起こり得る損失に対して、お金をプールしておいて、損失があった場合に財産的な補償をする仕組みです。

まずは普段からお金をプールしておきます。

損失を被ったときは、保険料を納めていたことを要件に、プールしていたお金から財産的な補償を受けることができます

年金制度は賦課方式といってもう少し複雑な仕組みなのですが、保険料を支払うのは自分の損失を補填するためであることを覚えておいてください。

障害年金3つの誤解

私たちが受給できる公的年金には「障害年金」「老齢年金」「遺族年金」の3つがあります。

将来的にいずれかの年金を受給するために、保険料を払っている「はず」です。

しかし、以下のような誤解から、障害年金の受給率が低いのではないかと考えています。

  • 障害者手帳がないと受給できない
  • 「年金=老齢年金」という認識しかない
  • 障害年金をもらうことが社会の迷惑になる

一つずつ、見ていきましょう。

障害者手帳がないと受給できないと思っている

「障害者手帳がないと、障害年金は受給できない」と思われている方が多いのではないでしょうか。

実は、障害者手帳の有無と障害年金はまったく関係ありません

障害者手帳があれば、確かに障害を持っていることの確証にはなりますが、障害者手帳を持っていなくとも障害年金は申請することができます

以下のように主体となる機関が違う、まったくの別制度であることを押さえておきましょう

「年金=老齢年金」という認識しかない

現役世代は老後のイメージがつきません。

年金は年取ってからのことでしょう?自分には関係ないよ」と保険料を滞納している人もいるかもしれません。

こうやって、そもそも自分自身が障害を持つケースを想定して年金を払っている方が少ないのではないでしょうか。

「自分が障害を持つこと」を想像するのは難しいかもしれませせん。

しかし、不慮の事故等で障害を持つ人もいますし、事故に合わなくても日本には精神障害は392万人います。

いつ、自分が障害を持つかわからないのが現代社会です

保険の説明で述べた通り、年金を受給するには「保険料を納めていること」が要件になります。

障害を抱えてから「保険料を払っておけばよかった」と思っても遅いのです。自分のために、保険料を納める、また何らかの理由で支払えない場合は、市役所の窓口等で免除申請をしておくことが重要です。

障害年金をもらうことが社会の迷惑になる

障害年金は、障害によって生活や仕事に支障をきたしてしまう方のためのものです。

日本には、社会保障制度を利用することにバッシングがあるように思います。またバッシングされなくとも、制度利用を「恥ずかしい」「いけないこと」と考えている方が多いように思います。

ただ、障害を持って生活する中で、障害年金を受給することは生活に余裕をもたらしてくれます

生活費に余裕がないと、障害をクローズにして就労したり、生活費を稼ぐために無理して働いたりと症状が悪化することも考えられます。

私自身の考えになりますが、症状の回復のためにも、障害年金を受給し、余裕ある生活の中で人生の選択を考えていくことは将来的にプラスになると思っています

障害年金を受給する方法

さて、ここからは具体的に障害年金を受給するための方法を見ていきましょう。

障害年金を受給する上で重要な「初診日」

初診日の定義は「障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日」となっています。

初診日は障害の確定診断が出た日ではないことに注意してください。

初診日には因果関係が考慮されます。例えば胃の不快感があり内科を受診、ストレス性の胃腸炎と診断されたあとに、精神科で「うつ病」と診断された時。両者には因果関係が認められ、前者の内科が初診日となります。

障害年金を受給する上で、初診日は非常に重要な日付です。

  • 受けられる年金の種類
  • 受給できるかどうか=受給要件
  • 受給を開始する日=障害認定日

これらすべてが初診日に左右されます。

障害年金を受給しようと思った場合、まずは初診日を確定させてから、書類を揃えていきます。初診日が確定しないままに書類を揃えても、実は初診日が違っていたり、証明が取れなかった場合にはその作業が無駄になってしまいます

初診日は、病院に確認すればOKです。日付の確認は電話等でも大丈夫ですが、申請時には医師の「診断書」を提出しますので、そちらに記載してもらいます。

転院している場合、初診の病院に「受診状況等証明書」を記載してもらい提出します。

障害年金には「障害厚生年金」と「障害基礎年金」の2種類がある

初診日の時に加入していた年金制度の種類によって、受給できる障害年金の種類が変わってきます

初診日に国民年金に加入していた場合(または、20歳未満、60歳以上~65歳未満の場合):障害基礎年金
初診日に厚生年金に加入していた場合:障害基礎年金に上乗せして、障害厚生年金

障害年金には障害の程度によって1~3級の等級があります。等級が小さくなるほど、障害の程度は重度となり、受給できる金額も増えます。

加入していた年金の制度と等級ごとに受け取れる年金種類を整理したのが下図となります。

3級は障害厚生年金のみにある等級です。よって3級の場合は障害基礎年金はなく、障害厚生年金のみの受給となります。

障害厚生年金のほうが1~3級と等級に幅があるのと、障害基礎年金に上乗せして受給できるため、より手厚いと言えるでしょう。

障害年金でもらえる金額

本記事では詳しくは述べませんが、障害年金には2つの加算があります。

  • 障害基礎年金 … 子の加算
  • 障害厚生年金 … 配偶者加給年金

これらの加算を加えた上で、受給できる金額は以下のようになります。

(例)障害基礎年金の受給額

(例)障害厚生年金の受給額

障害厚生年金3級であっても、月額約5~6万円が受給できますので、かなり生活に余裕がでるでしょう。

障害年金の受給対象者

障害年金の対象者は基本的に病名を問わず、日常生活や仕事に支障があるかどうかで判断されます。つまり、「いかに日常生活に困っているか」を伝えられるかにかかっています。

詳しくは「31年度版 障害年金ガイド」の「障害年金に該当する状態」を参照ください。障害厚生年金3級は「労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有する」状態を想定しており、働いていても障害年金は受給できます

また、こちらの記事でも紹介している就労継続支援A型・B型で働いている方は、一定の配慮の中で働いており、障害年金の等級では2級相当となっている方も多くいらっしゃいます。

納付要件について

障害年金を受給するには、年金保険料を納付していたことが条件になります。この条件を「納付要件」といいます。

納付要件は、2つあり、いずれかを満たしていれば受給可能となります。

納付要件1 被保険者期間の2/3以上を納付していること

初診日の前日が属する月の前々月までの被保険者の期間で2/3以上が納付、または免除していること

以下の例では、免除期間、納付期間を合わせて12か月。被保険者期間が15か月です。15か月の2/3は10か月ですので、要件を満たしています。

納付要件2 直近1年間漏れなく納付していること

初診日の前日が属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと

被保険者の期間の2/3の納付または免除を満たしていない場合でも、直近1年間はきっちり納付していれば

以下の例では、免除を含めて1年間は納付していますので、要件を満たしています。その前に未納期間もありますが、1年間の納付していますので問題ありません。

納付要件を確認するには

年金事務所か街角年金相談センターに行けば、納付要件を確認することができます。

ただし、年金事務所は完全予約制になっているため、街角年金相談センターのほうがおすすめです。

街角年金相談センターは、全国社会保険労務士会連合会が日本年金機構の委託をうけ運営しています。

年金事務所でもよいのですが、窓口は派遣社員の方が多く事務的に処理されてしまうのが実情です。納付要件には月ごとの納付実績が必要になりますので、その旨をきっちり伝えましょう。

障害年金を申請できるのは障害認定日以降

障害認定日とは、初診日から1年6ヶ月後たった日付のことを言います。

この障害認定日に、法令が定める障害がある状態であれば、障害年金を請求できます。請求してから審査にはかかるので、4~5ヶ月分かかるとされています。

なので、初回の受給日には、障害認定日の翌月分から申請にかかった期間分を合わせて数か月分が振りこまれます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

障害年金は保険制度であり、保険料を納付していれば誰もが受給できます。老齢年金のことだけではなく、自身が障害を持つことも想定して保険料は納付しておきましょう。

障害年金の申請には、初診日が重要になります。初診日を確認したうえで、納付要件を調べる、必要書類を揃えるようにしましょう

本記事では、障害年金のポイントをざっくりと把握することを目的としましたので、詳細は割愛しております。詳細を知りたい方は、参考サイトを用意しましたのでこちらをご参照ください。

障害年金の手続きは複雑、かつ時間がかかります。障害者年金専門の社会保険労務士に依頼するのも一つの手です。社会保険労務士に依頼する場合には、着手金が2万円程度、成功報酬型で初回に受給できる数か月分から2か月分ほど徴収される、というのが相場です。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

参考サイト

1 NPO法人 障害年金支援ネットワーク

NPO法人 障害年金支援ネットワーク
私たちは無料電話相談と広報で障害年金の受給を支援する非営利団体です。

2 障害年金の手続きガイド

3 LITALICO発達ナビ 障害年金とは

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